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【開催報告】イスラームを知ろう!~日本人ムスリマが見つけた、心豊かな中東イスラーム社会の暮らし方~【オンラインセミナー】(2022年1月30日)


 一般財団法人青少年国際交流推進センターは、オンラインセミナー「イスラームを知ろう!」の第6回目として、2022年1月30日(日)に、「イスラームを知ろう!~日本人ムスリマが見つけた、心豊かな中東イスラーム社会の暮らし方~」を開催し、当日は56名が参加しました。

 セミナーの開会に当たり、Zoomの投票機能を使って、参加者の皆さんへ、「これまでに、日本人のムスリム・ムスリマ(イスラーム教徒)と話したことがありますか?」と質問したところ、約7割の参加者が「あります」、約3割の参加者が「今回が初めてです」と答えました。
 また、「中東イスラーム社会を訪れたことがありますか?」の質問には、約2割弱の参加者が「現在住んでいる、あるいは、住んでいたことがあります」、約4割強の参加者が「訪問したことがあります」、約4割弱の参加者が「ありません」と答えました。

 前半は、イスラームに入信し、UAEアラブ首長国連邦で生活をしているメインゲストのハムダなおこさんから、日本人ムスリマが見つけた心豊かな中東イスラーム社会の暮らし方をテーマに、お話をうかがいました。UAE人の夫と出会い、5人の子どもたちの母親となり、社会に広くイスラームの相互理解を推進するハムダなおこさんだから語ることができる「イスラームの合理的なメカニズム」は、参加者の「知らない」を「知る」ことにつなげ、興味と関心を広げました。
 興味深い天使のお話がありました。「人間は生まれた時から右肩と左肩に天使がいて、善い行いは右肩の天使が、悪い行いは左肩の天使が書き留めている。ポイント制のように、善い行いをすると、悪いポイントが相殺されていく。死後の行先は、その人の行いのポイントによって定まる。どんな行いをしたかは、他人が知らなくても、天使と神が知っており、行いをし続けることができる。イスラームは気楽な他力本願でありながら、最終的には自分が背負う自力本願である。」と、参加者に咀嚼しやすいことばで解説が進みました。「教義を実践すれば良く、精神と自身と時間を神に投資し、できることのみ行い、常に神とまっすぐつながり、神が与えた命を生き、終わればそれを神に差し戻せば良い。命の様をそのまま受入れ、幸福に生きられるというメカニズムがある。ムスリムは祈り、感謝し、他者を助け生きていくことのみの穏やかな営みである。」

参加者からの質問に答えるハムダなおこ氏(左)、遠藤利夫氏(右)と、モデレーターの大河原友子氏(中)

 後半は、ハムダなおこさんに、宗教法人日本ムスリム協会会長遠藤利夫さんが加わり、参加者から寄せられたさまざまな質問に答えました。参加者の皆さんから、事前及び当日のオンラインのチャットボックスにたくさんの質問が寄せられ、全ての質問にお二人から丁寧に回答しました。
 例えば、日本で社会問題になっている、自殺、イジメ、負け組・勝ち組、引きこもり、孤独や老後不安などが、中東イスラーム社会ではほとんど問題とならないことに関して、「イスラームでは、神が我々に命を預けているため、死ぬまで命をまっとうする。命を粗末にしてはいけない。来世で天国に行くことが勝ちという考え方。神と歩む生き方に孤独はない。」と答えました。
 また、女性の社会進出などジェンダー平等に関して、「イスラーム社会は、公には男女の区別がされる社会であり、男女同数の医師、看護師、教師などが必要である。そのため、実際には、女性は自分の力を発揮する場が多く、楽に社会に入っていける。比較して、日本は、世界的に見ても社会で活躍する女性割合がまだまだ低く、これからますます女性が力を発揮できるように願う。」とメッセージを伝えました。

 最後に、ドバイの慈善団体、ムハンマド・ビン・ラーシド・アルマクトゥーム人道慈善団体から、トートバックと、今回のオンラインセミナーのメインゲストのハムダなおこさんの著書『アラブからのメッセージ-私がUAEから届けた「3.11」への支援』を希望者に発送すると発表しました。

 次回「イスラームを知ろう!~ハラールフード料理教室(シシバラク)~【オンライン】は、2022年2月23日(水祝)10:00~13:30に開催します。

当日のオンライン参加者

<当日の参加者の声(実施後の参加者アンケートから抜粋)>
・ 多文化的なこと全てについて言えると思うのですが、ものごとの本質を知り、精査していくことの重要性を改めて感じました。

・ 祈り、感謝し、他者を助けること。今生きている自分のためではなく、自分が死後に天国に行けるように、善い行いを迷いなくする事の大切さ。携帯の待受画像にいれたいと思います。

・ 受講前は女性が進出しにくい社会という偏見を持っていたが、むしろその逆だったことも印象に残った。教育や医療など男女別々の社会なので専門性を持った女性が、日本よりむしろ活躍する機会が多いことを知った。

・ 国際結婚をされて5人のお子様を育て、日本文化を紹介する授業や団体を通じて現地でたくましく生活されるお姿に感銘を受けました。人生そのものが冒険、探検の連続だと思いました。

・ イスラーム社会での合理的な考え方の良い部分を取り入れつつ、日本社会でも生活していこうと思いました。

・ 与えられた場で自分に、何ができるかという点を追求して行く素晴らしさに感動しました。皆それぞれの場で強く明るく前向きに生きていけばそれなりの道がひらけるとセミナー終わってから清々しい気持ちです。

<主催> 一般財団法人青少年国際交流推進センター
<共催> 宗教法人日本ムスリム協会
<協力> 日本青年国際交流機構(IYEO)

<メインゲスト>
ハムダ なおこ
日本UAE文化センター代表、作家、翻訳家、エッセイスト
学生時代は米国・メキシコに留学し、英国の科学調査探検隊オペレーションローリーに参加など、さまざまな国際交流団体に所属して活動する。
1987年 第14回「東南アジア青年の船」事業に日本参加青年として参加
1989年 早稲田大学文学部文芸科卒(卒業論文首席)
1990年 第2回「世界青年の船」事業に通訳として参加。そのときに出会ったUAE参加青年と結婚してUAEに移住。5人の子どもを育てる。
2008年~ 独力で日本UAE文化センターを創設し、地域社会に日本文化を、日本にアラブ文化を広める活動を始める。
2011年~ 東日本大震災を機に宗教法人日本ムスリム協会と協働して慈善活動を続けている。
2012年『祖母のはなし』で第8回文芸思潮エッセイ賞受賞。2013年『アラブからこんにちは』を出版。2015年『アラブからのメッセージ―私がUAEから届けた「3・11」への支援』で第3回潮アジア太平洋ノンフィクション賞を受賞。2016年『ようこそアラブへ』出版。2021年『アラブに自殺、イジメ、老後不安はない』出版。2003年『シャヒード、100の命―パレスチナで生きて死ぬこと』翻訳、2018年ドバイ首長の本を翻訳。2018年シャルジャ・世界ブックフェアに作家・翻訳家として参加。

<パネリスト>
遠藤 利夫
宗教法人日本ムスリム協会会長
1970年 拓殖大学商学部卒
1970年 サウディアラビア国立マディーナ・イスラーム大学留学(3年間)
1973年 (株)コマツに入社、在職中サウディアラビア・ジェッダ市に6年間駐在
2009年 (株)コマツを定年退職
2004~2012 年 拓殖大学イスラーム研究所シャリーア専門委員会委員
2012年 拓殖大学イスラーム研究所客員教授
2014・2015年度 農林水産省 輸出戦略実行委員会ハラール部会委員

<モデレーター>
大河原 友子
一般財団法人青少年国際交流推進センター理事
日本青年国際交流機構(IYEO)顧問
内閣府主催の青年国際交流事業に、1987年「東南アジア青年の船」事業日本参加青年、2001年「国際青年育成交流」事業(ジンバブエ派遣団)団長として参加。



・過去のセミナーの開催報告は以下リンクからご覧ください。
◆第1回:イスラーム教を学ぼう!<入門編>(2020年11月1日開催)
◆第2回:イスラームを知ろう!~日本人ムスリムの生活をのぞいてみよう~(2020年12月20日開催)
◆第3回:イスラームを知ろう!「ハラールフードってなに? 〜専門家に聞くムスリムの食事とおもてなし〜」(2021年3月28日開催)
◆第4回:イスラームを知ろう!~ハラールフード料理教室(カプサ)~【オンライン】(2021年9月26日開催)
◆第5回:イスラームを知ろう!~ハラールフード料理教室(マクルーバ)~【オンライン&現地(東京都)】(2021年11月23日開催)

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問合せ先:一般財団法人青少年国際交流推進センター
TEL  03-3249-0767
Email  i.seminar@centerye.org

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